ブロローグ
昔々、とある国にひっそりとお城が建てられていました。
そのお城には、とても美しいお姫様が住んでおりました。
そのお姫様は世界がずっと平和である様にと願い続ける、大変綺麗な心の持ち主であります。
しかし、そのお姫様は少しばかり癖のある性格を・・・・・
「嘘言うな!ナレーター」
おや?あなたはお姫様の護衛役のウェラー・コンラートさんことコンラッドさんではありませんか。
せっかくナレーションしてる最中だというのに、途中で口を挟むのは失礼ですよ?
「あぁ、それは悪かった・・・・じゃなくて!ウチの王女が少し癖のある性格というそのナレーションは真っ赤な嘘だ!」
嘘、と申しますと?
私が伺った話しでは、あなた方が住む国のお姫様は少々お転婆だとの事なのですが?
「あれのどこが少々だ!ウチの王女はガサツで、お転婆で、無鉄砲で、怒らせると殺傷力が非常に高い鉄拳が飛んできてetc・・・・」
はぁ・・・苦労なさってるのですね。
「まったくだな、今日だって拳闘の特訓に付き合わされるし。俺は剣術専門だと言うのに、まったく」
あぁ、それで今のコンラッドさんは大怪我を負われてるのですね。
「あの王女は加減という物を知らない。やる事はいつも徹底的にやるタイプだ。近隣諸国の王族達は、あれが未だに美しくお淑やかな王女だと思ってるのが不思議なくらいだ」
なるほど、『少し癖のある性格』というのは訂正した方がいいみたいですね。
ご指摘ありがとうございました。
という事で、王女でありながらかなり癖のある性格で最強の座に君臨するジュリア姫のお話しのはじまりはじまり?。
あっ、コンラッドさんの登場はまだですから早く持ち場にお戻りください。
「はい?俺もその話しに登場するのか?聞いてないぞ!」
今決めましたから。
「断る!どうせろくな目に遭わせられるだけなんだからな」
あっ、ジュリア姫。
「俺は用事を思い出したから持ち場に戻る。それでは失礼します、ナレーター」
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