未来への約束
「ジュリア、あんた今度の戦争で死ぬつもりなの?」
「あら、どうしてそんなこと聞くのかしら?」
「質問してるのはこっち、眞王陛下になんて言われたかしらないけどあなたそれに従う気なんでしょう?」
「そう・・・ミレーユ、あなたには巫女の血を引き継いでるだけあって何か感じ取ることができたのね。えぇ、私の次世代の魂が次の魔王として生まれ変わるの。だから次の戦争では命を落とすかもしれない」
「あんたはそれでいいの?アーダルベルトはそれで納得してるの?」
「彼には何も告げてないわ」
「コンラートにも?」
「えぇ」
「あんたらしいわね、でもきっとアーダルベルトは怒りと悲しみに捕らわれて何をしでかすか分からないわよ?コンラートもあなたが死んだと分かればきっと深い心の傷を負う」
「アーダルベルトはいつの日かきっと分かってくれる。コンラートには私の魂を運んでもらう予定なんだから傷ついてる暇はないわよ」
「信じてるのねアーダルベルトの事を。でもコンラートはあなたの魂を持って間違った道に進みそうになったらどうするつもり?」
「その時はミレーユが思いっ切りぶん殴ってやって、そして私はそんなことの為にあなたに魂を託したんじゃないって伝えて」
「了解、でもアーダルベルトまでは止められそうにもないからね。何で彼だけにでもこのことを伝えないの?」
「眞王陛下との事に彼は巻き込みたくないの。それに彼だっていつまでも自分を見失ってる程弱くない筈、だって私の婚約者よ?そんなに弱い輩じゃ私の伴侶は勤まんないんだから。」
「それもそうね、とにかく未来はコンラートと次世代の魔王陛下に託すしかないようね。でも、次世代の王がいけ好かない奴なら例えジュリアの生まれ変わりでも素直に仕える気はないからね」
「それなら大丈夫、きっと次世代の王は平和な世界へと導いてくれる。だからあなたも信じて?魔族も人間も戦いの無い平和な世界が築けると。そして次の魔王陛下が私の生まれ変わりだとしてもその人はもう私じゃないから、私と重ねたりしないで」
「その台詞は彼等に言ってやって。私は決してあんたと王を重ね様なんて思わないから」
「それでいいのよ。でも彼等が私と重ねたりしたら思いっ切りぶん殴ってね?そんなんで私を見られても嬉しくないから」
「近々死ぬっていうのに随分殴る注文が多いわね。良いわ、その時は最大限の力を拳に貯めて殴ってやるわ」
「お願いね、ミレーユも何かと馬鹿力発揮するから楽しみよ」
「馬鹿は余計よ。・・・・本当に次の戦争であんた死んじゃうんだね」
「後の事はよろしく頼むわ、・・・・もうそろそろ行かなきゃ.平和な未来を私の代わりにミレーユが見届けて、約束よ」
「ジュリア、あんたの妹になれて楽しかった・・・・元気でね」
「えぇ、ミレーユも元気で」
戦争終結後、私はジュリアの死の報せを聞いた。
ねぇ・・・ジュリア、あんたは幸せだった?
少なくとも私はあんたに会えて幸せだったよ、色んな目に遭わせられたけどね。
あんたとの約束は必ず果たすから、安らかに眠ってて姉さん。
オリキャラ初登場です。
ジュリアが死ぬ少し前くらいの会話だと思ってください。
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