託された希望4
「そういえば、コンラッドは何で俺の居場所が分かったの?」
しばらく抱き合った後、コンラッドに聞いてみた。
「愛の力ですよvvと言いたいところですが、実はアニシナのお陰なんです」
「アニシナさんの?」
「はい、何でも新しく開発した魔導装置がユーリの魔力を探知して居場所が分かったみたいですよ?」
「流石アニシナさん(汗)その魔導装置も開発するのにもグウェンが被害にあったんだろうな」
俺はこの場にいないグウェンに心の中で合掌した。
「大丈夫ですよグウェンは打たれ強いですから」
「はは・・・そうだね、そうでなきゃ長年アニシナさんのもにたあはやってられないよね」
「俺からしてみればその魔力を探知する魔導装置のせいで被害者が続出しないかのほうが心配ですけどね」
「確かに、その魔導装置もアニシナさんがもにたあになる人材を探す為に作った可能性が高いよね」
俺は血盟城にいる魔力の強い人達には後で気をつけるように忠告しておこうと決心した。
でもアニシナさんにはどうやって気をつけたらいいんだろう?
隠れたり逃げたりしても探知されちゃったら結局は捕まっちゃうだろうし。
「今はギュンターとヴォルフラムがもにたあになってるのでしばらくは被害者の続出は防げますよ」
「やっぱり2人も捕まったんだ、ミレーユさんもおそらくもにたあになってるだろうって言ってたよ。アニシナさんの行動を言い当てるなんてミレーユさんって凄いんだ」
コンラッドはユーリの発言に苦笑した。
アニシナの性格を考えればグウェンダルが使い物に無らなくなれば、自動的に手近にいるヴォルフラムやギュンターをもにたあに選ぶことは分かりそうな事なのに。
しかし、そんなおにぶちんな所も可愛くて微笑ましいと思った。
「何笑ってんだよコンラッド。あっ!!そういえばあんたいつからここにいたんだ?俺とミレーユさんの話しどこら辺から聞いてた?」
ユーリが少し興奮気味で聞いてきた。
「えっと、ミレーユが眞魔国を見てどう思うかってユーリに質問してた辺りかな?」
ユーリはそれを聞いた瞬間みるみる赤面してきた。
「うわ〜ほとんど初めからじゃん///よりにもよってあんな大口叩いてる所もあんたに聞かれたのかよ」
「そんな事ありませんよ、とても立派でした。我が国の魔王陛下はこんなにも立派なお考えをお持ちで俺も誇らしく思います」
「茶化すなよ、あんな事口では言ってるけど俺1人じゃ何も出来ないんだから」
「だからこそ俺達がいるんです。ミレーユも言ってたでしょう?あなたの力になると、それは俺も同じです」
ユーリの望む平和な世界が俺にとっても同じ願いなんです。
「この眞魔国をあなた1人で背負うには重過ぎる。でも、ユーリがその重さに押し潰されない様に俺達があなたを支えるんです。ユーリ1人じゃ叶わない願いでも俺達が力を合わせれば必ず叶いますよ」
「コンラッド・・・」
「それにユーリも言ったじゃないですか。「戦争する為に魔王になる決心をしたんじゃ無い」と」
「そうだよな、コンラッド平和な世界が来る様に皆で頑張ろうな」
迷いが吹っ切れた様でユーリも自信の満ちた表情でコンラッドに笑いかけた。
「さて、まだ日は高いですしこのまま大人しく血盟城に帰るのも勿体無いですね」
「コンラッド?」
「ユーリ、このまま城下に出掛けちゃいましょうか?」
「コンラッドと出掛けられるのは嬉しいけど良いのかな?」
「今日はグウェンもギュンターも使い物に無らないから執務はできませんよ、ヴォルフラムもアニシナに捕まってることですしユーリと2人きりで出掛けたいんです。駄目ですか?」
そんな捨てられた犬の様な顔で駄目?と聞かれたら駄目って言える訳無いよ。
それに俺だってコンラッドと2人きりで出掛けたいし。
「駄目な訳無いだろ?俺だってコンラッドと2人きりで出かけたいんだから」
そう言ったらコンラッドが満面の笑顔になって嬉しいですと抱きしめてきた。
「ほら城下に行くんだろ?時間が勿体無いから早く行こうぜ」
その後、コンラッドの腕を引きながら俺は上機嫌で城下の買い物を楽しんだのだった。
END
中途半端な終わり方ですが託された希望はこれで完結です。
ミレーユがどのようにユーリを魔王として認めていくかを書いてみたんですが最後はコンユで占めてみました。
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