苦労人マキシーンの家庭内事情
俺の名はマキシーン、別名『殺しても決して死なない男』だ。
アーダルベルト番長の腹心の手下の1人である。
男気溢れるアーダルベルト番長に惚れ込んで(深い意味ではありません)、今日も番長に尽くしていくのだが・・・・・。
「ポニー」
「ポニー」
「今日の朝ご飯は何ー?」
「何ー?」
「ジェイソンお腹減ったー」
「フレディもー」
「「ねー」」
朝からマキシーン宅はドタバタと騒がしい。
その訳はマキシーンの双子の妹、ジェイソンとフレディが朝食の準備しているマキシーンの周りではしゃいでじっとしないからである。
「お前達、少しはじっとしないか。俺の周りで騒がれると出来る物も出来ないだろううが!」
「ポニが怒ったー」
「ポニが怒ったー」
「「キャー、恐いー」」
マキシーンからドタドタと逃げる双子の姉妹、恐いと言いながらもとても楽しそうにしている。
その姿を見たマキシーンはふうと溜息を出す。
「ジェイソン、フレディ、もうすぐ食事が出来るから机の上片付けとくんだぞー」
「「はーい」」
マキシーン宅は毎朝こんな感じである。
両親は仕事の都合で単身赴任中の為、ここ数年の家事と妹達の世話はマキシーンが一手に引き受けていたのだった。
また、マキシーン自信も育ち盛りの妹達の為に、自分達の食い扶持くらいはと自らバイトして負担していた。
マキシーンは朝食を作り終えて、妹達が席に着いてる机の上へと食事を運んでいった。
「ほら、朝食が出来たぞー」
「「わーい、いただきまーす」」
食事が出来たと言ってもマキシーンは手の込んだ物は作れない。
今朝の朝食も少し焦げたベーコンエッグと千切りにしてはかなり不恰好なキャベツのサラダ、そしてトーストと牛乳だった。
見た目からしてみたら少々出来の悪い朝ご飯でも、ジェイソンとフレディは喜んで食べている。
「どうだお前達、美味いか?」
「うん、この少し焦げたベーコンエッグが良い感じ」
「サラダも不恰好だけどドレッシングを掛けると美味しいよ」
「ははっ、どうもありがとよ」
褒めてるんだか貶してるんだか今一分からない双子の褒め言葉、マキシーンも乾いた笑いしか出なかった。
朝食を摂り終えて使った食器を片付けたマキシーンと双子のジェイソンとフレディは、身支度をして学校に行く準備をする。
「ポニ、ジェイソン学校に行って来るね」
「フレディも学校に行って来るね」
「あぁ、気をつけて行くんだぞ?ジェイソン、フレディ。俺は今日もバイトだから帰りが遅くなるからな」
マキシーンの言葉を聞いたジェイソンとフレディは、少し寂しそうだった。
「ポニ、今日も遅いの?」
「夕ご飯前には帰って来れる?」
「忙しくなけりゃあな。さあ、お前達あまりゆっくりしてると遅刻するぞ?」
「「うん、行って来まーす」」
マキシーンは双子の妹達を行って来いと送りだす。
双子達を見送り終えてから、自分も学校へと登校するのがもはや日課となっていた。
こうして、アーダルベルト番長の腹心の手下の1人であるマキシーンの1日は始まっていくのだった。
END