人肌恋しい季節
暑い夏が終わり少しだけ肌寒い秋の季節がやってきた。
俺、渋谷有利は今コンラッドの部屋でコンラッドと2人きりでいる。
今日は肌寒いのにコンラッドはいつもの服装でも余裕の表情だ。
夏の暑さに慣れてしまった体は秋の季節でも異様に肌寒く感じてしまう。
コンラッドとは逆に寒がってる俺に、コンラッドが暖かいお茶を用意してくれて温まっている。
眞魔国は暖房器具という物が無く、これからもっと寒くなるであろう冬の季節にはどうしたものかと考えようである。
いっそアニシナさんに頼めば作ってくれそうな気がするけどそれは止めておいた。
完成するまでには絶対グウェンダルやギュンターが可哀想な目に遭うんだし。
いつも執務とかで負担掛けてしまっている俺としては少しでも負担を減らしてあげたい。
そういえば眞魔国に住む魔族の人達はどう過ごしてたんだろう?
「なぁコンラッド」
「何ですか?ユーリ」
「あんた達って寒さ感じないの?今日なんかいつもより肌寒いのに全然平気そうな顔してるじゃん」
「寒さを感じる事はありますが今日くらいの温度ならどうってこと無いです。軍で鍛えてましたから」
「俺ももっと体鍛えようかな?グリ江ちゃん並みに筋肉がつけば寒さも感じないだろうしな」
「駄目です!体を鍛えるのは良い事ですが、やりすぎは体を壊すことになります。毎朝ロードワークに出てるんですからそれで十分でしょう?」
何よりあなたのマッチョ化した上腕二頭筋なんて見たくありません!暑苦しいのはヨザだけで十分です。
「ちぇっ、俺だっていつかマッチョになりたいって思ってるのに」
「ユーリは今のままで十分じゃないですか無理にマッチョになろうとしないでください」
それに・・・
コンラッドが背後から俺の体を抱きしめてきた。
「ユーリがマッチョになったらこんな風に抱きしめられなくなってしまう、俺の楽しみの1つを奪わないでください」
そうしてコンラッドは俺を背後から抱きしめたままベットに腰掛けて離してくれそうになかった。
「何だよ、甘えん坊だな」
「知ってましたか?俺はユーリ限定で甘えん坊なんです」
うっ・・・///どうしてそう恥ずかしい事をさらっと言えちゃうかなこの男は!
「だぁー、恥ずかしい事言うな///いい加減離せ!」
「嫌です(きっぱり)」
抱きしめてるコンラッドの腕を引き剥がそうとするが、腕に力を籠められたら全く敵わなくなってしまった。
そんな俺を見てる名付け親はくすくすと笑っている。
「こうしてた方がユーリも暖かいでしょう?俺はこうしてるだけで暖かくて幸せな気分になります」
「確かに暖かいけどさ、何か恥ずかしくない?」
それに、ギュンターやヴォルフがこの光景見たら絶対騒いでくるし。
「良いじゃないですか、今は2人きりなんだし。もし他の者が来たら見せ付けましょう」
「趣味悪いぞコンラッド」
「良いんです、ユーリは俺のなんですから」
いつも大人の余裕っぷりのコンラッドでも、こうゆう時は子供みたいで可愛く見えてしまう。
だからこれくらいの我が侭ならついつい許してしまう。
「仕方無いな、今だけだぞ?」
そう言いながら振り返ったらコンラッドの唇が落ちてきて口付けされてきた。
触れられるだけの甘くて優しいキス。
「んっ・・・」
「ユーリ愛してます」
「俺もコンラッドが大好き///」
体制を向き合うように入れ替えてコンラッドに擦り寄っていった。
「そんな可愛い事されたら襲ってしまいますよ?」
せっかく触れるだけのキスで留めたのに。
「今は駄目、ここで始めたらあんた夜になっても離してくれないだろう?」
夕食の時間には絶対動けなくなってるし。
それに、コンラッドに抱かれるのは嫌じゃないけど俺だってたまにはこんな風に穏やかな感じであんたと過ごしたい。
「分かりました、でも今夜は覚悟しておいてくださいね?」
「お・・・お手柔らかにお願いします///」
俺は冬になっても暖房器具はいらないだろうと思い直した。
だってこうやってコンラッドに抱きしめられるととっても暖かいから、どんなに寒い日が来たとしても平気なような気がしてきたからだった。
END
最近肌寒くなってきたので寄り添ってる2人を想像してみました。
暖房器具の無い眞魔国ではきっとこんな感じで寒さを凌いでるんだろうなと思いました。(笑)
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