平穏で安らぎの一時
ギュンターとの勉強中、ふと外を見てみるとそこは穏やかな風が揺らめいて、気持ちの良さそうな晴天が広がる風景だった。
それを見た俺は、大人しく勉強してるのが急に勿体無いと感じて・・・・。
「はぁ・・・はぁ・・・こ、ここまで来れば大丈夫かな?」
コンラッドに協力してもらい、ギュンターの隙を突いてコンラッドと一緒に血盟城を脱走してしまった。
「そうですね、ここまで来れば大丈夫でしょう。しかしユーリ、ギュンターとの勉強中に脱走すると後で怒られますよ?」
「いいじゃん、たまにはさ。それに、俺の脱走に協力したコンラッドだって共犯だぞ?後で一緒にギュンターの説教を喰らおうな」
そう言って、俺はコンラッドに顔向けながらにかっと笑った。
それを見たコンラッドは苦笑しながら言った。
「やれやれ、仕方無いですね。ギュンターの説教は恐いですから、覚悟しておいてくださいね」
そう言いながらも、コンラッドは文句も言わず脱走に付き合ってくれた。
思えば、コンラッドは俺の勉強中に集中力とかが切れてくる頃を見計らって、毎回お茶とお茶菓子を持って休憩を促してくれる。
今回もきっと、勉強するより外の空気をいっぱい満喫したいという俺の気分を察してくれたのだろう。
だからこそ彼は驚きも咎めもせず、こうして俺の道連れになって一緒に脱走してくれた。
そう思うと、何だか俺は無償に嬉しくなった。
「どうしたんですか?」
「んっ、何が?」
「いえ、ユーリがとても機嫌が良さそうに笑ってるから、ギュンターの授業を抜け出せた事がそんなに嬉しかったのかなと思っ」て
「う〜ん、それもあるけどこうしてコンラッドが付き合ってくれた事が嬉しいと思ったんだ。勉強は嫌いな方だけど、別にギュンターとの授業が嫌って訳じゃ無いよ。ただ、こんな気持ち良く晴れた日は外を満喫しないと勿体無く感じただけなんだ」
コンラッドはくすりと笑いながら言った。
「確かにそうですね。今日は遠乗りとかするのに打って付けの日だと言うのに、ユーリと一緒に行けないのが残念です」
「でもさ、こうして外に出て季節や自然を感じるのだって十分気持ち良いじゃん。遠乗りはまた今度、休みと許可を貰ってゆっくり行こうぜ?」
「はい、必ず。しかし、こう脱走ばかりしてると中々休みは貰えそうに無いですね」
「失礼だな、俺はそう脱走ばかりしてるって訳じゃ無いぞ。・・・時々しか」
「時々・・・・ねぇ」
いたずらっぽく言うコンラッドに、俺は少しむっとした。
「あっ、今そんな事無いって思っただろ?そんなに言うんだったら別にいいもんね。執務も勉強も、本気で頑張って今度休みを貰った時はヴォルフと遠乗りに行くから」
「それは許しません。いつだってユーリの傍にいるのは俺の役目なのですから」
いきなりコンラッドがマジな顔で言うから、俺はトクンと胸が高まってしまった。
「そう言う事を真顔で言うなよ・・・・馬鹿///」
俺は恥ずかしさでいっぱいでコンラッドを直視出来ず、若干目を逸らしてしまった。
そんなユーリを、コンラッドは穏やかな目で見ていた。
「それにしても、ユーリは本当に外が好きですね」
「そうだな、俺は基本的に脳筋族だし。外で体を動かすのが何より好きだしな。でも眞魔国に来てから、こうして自然や空気を体で感じるのがもっと好きになった。地球にいた頃は、ただ何となく平凡な日常が過ぎていくだけだった。便利な機械も多いからテレビとかゲームをして1日を過ごしてる人も多いだろうし」
「ここにはそういう物はありませんからね。不便ですか?」
「俺もテレビは見るしゲームもする。他にも便利な物に頼りっぱなしだから全然不便じゃ無いって言ったら嘘になる。でも、ここは地球では気づかなかった事を教えてくれた。自然がとても気持ち良くて、綺麗な空気がとても美味しいという事を。だから余計に外に出るのが好きになったのかもな」
コンラッドと一緒に過ごせると言うのが、1番の理由だったりするんだけどな。
ユーリは少しそわそわしながら、不自然にこほんと1つ咳払いをしてコンラッドに言った。
「ところでコンラッドさん、差し障り無ければ仰向けで横になってもらいたいんですが?」
「また何か企んでいるんですか?ユーリ」
「い・・・いいだろ、別に///ほら、早く横になって」
ユーリは何故か頬を俄かに赤くしながら、コンラッドに横になる様にと促す。
「はいはい」
何かを企んでるなと思ったコンラッドだが、素直にユーリに従って仰向けで横になった。
ユーリはコンラッドが横になったのを見届けると、すぐ近くに寄ってしゃがみ込んだ。
「よし、そのまま動くなよ?・・・よいしょっと」
ユーリは足を正座にして、コンラッドの頭をその上に乗っけた。
この体制は俗に言う膝枕という物であった。
いきなりのユーリの予想外の行動に、コンラッドは混乱した。
「え、えっと・・・ユーリ?」
ユーリはコンラッドの顔を覗き込みながら言った。
「何だよ、俺の膝枕は嫌か?」
「いいえ、そんな事はありません。どうしたんですか?ユーリからこんな事してくれるなんて」
「今日は特別だからな///前にコンラッドが遠くに視察に行った時、滅多に食べれそうにないお菓子をお土産に持ってきてくれただろ?それのお礼」
「という事は、この膝枕がバレンタインのお返しという事ですね」
「バレンタイン?」
「気づきませんでした?俺がユーリにお菓子を渡した日はバレンタインだったんですよ。あの時はユーリも執務が立て込んで忙しそうでしたから、今回は俺がユーリに何か贈りたいと思ったんですよ」
「あっ、すっかり忘れてた。去年は忘れなかったのに今年はうっかりしてたよ。ごめんな?あんたに何も贈らなくて」
ユーリはしゅんとして申し訳無さそうに言った。
「気にしないでください。昨年は素敵な贈り物を頂いたのですから、今年は俺がユーリに何か贈りたかったんです。それに、思いがけずにあなたから膝枕もしていただ事ですしこれは凄い役得です」
「そっか、なら良かった。でも、これだけだと何だか申し訳無いな」
「でしたら、また俺にこうして膝枕をしてくれますか?それだけで俺にとっては十分過ぎる程のお返しです」
「やだ(キッパリ)。だってコンラッド重いんだもん」
そうユーリが告げたら、コンラッドはガーンと効果音が聴こえてきそうなショックを受けた顔をしていた。
「嘘、時々だったら良いよ。でも、毎回ってのは簡便してくれよな?流石に恥ずかしいから・・・///」
ユーリがそう言うと、コンラッドぱあと表情を輝かせた。
「はい、ありがとうございます」
コンラッドはそう言って、とても嬉しそうに笑っていた。
膝枕していたユーリは終始恥ずかしそうにしていたが、コンラッドも喜んでいる事だしまぁ良いかと思っていたのでした。
END
宣言通り、ヨシの中ではコンユを執筆したつもりです。
一応ホワイトデーのバカップルぷりを披露させてもらいました(苦笑)
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