コンラッドの突発デート作戦!!
時は熟した。
そう・・・・思えばユーリへの一目惚れから始まり、今では知り合いとなり親しい友人とも呼べる間柄へと進展した。
ジュリアの牽制はありつつも、俺はめげずに想い人へとアタックし続けた。
当の本人に届いてるかどうかは微妙だが・・・・。
そして今の俺とユーリに足りないのは更なる進展。
あまりぐずぐずしている訳にもいかない。
事もあろうに俺の弟であるヴォルフラムも俺のユーリに心を奪われたらしいのだ。
俺が引けを取る事は無いだろうが、だからと言って油断出来る訳でも無い。
だからこそユーリと更なる進展を遂げたいのだ。
う〜む、いきなり押し倒して既成事実を作るとかは多分駄目・・・・・だよな?
ユーリの事は大事にしたいし、そういうのはもっとムードがあった方が・・・・。
となると、やはり2人きりのデートが無難だろうか?
護衛も兼ねて一緒に過ごした事はあっても、毎度お邪魔虫はいたしな。
そうと決まれば思い立ったが吉日だ。
ユーリの暇な日の確認を取りつつさり気なくデートの約束を取り付けよう!
そんなこんなで・・・・
プルルルルッ・・・・プルルルルッ・・・・・
『はい、渋谷です』
「もしもし、ユーリですか?」
『あー、その声はコンラッドかー。うん、俺だよ。こんな時間にどうしたの?』
「夜分にいきなりすみません。少しユーリに聞きたい事がありまして電話させていただきました」
『聞きたい事?何、何?』
「その、今度ユーリが暇な日でも何処か2人で一緒に遊びに行きたいと思いまして・・・・」
『おぅ、別に良いよ』
「本当ですか!?」
『うん、丁度今度の日曜が暇なんだ。コンラッドさえ良ければその日に出掛けようか?』
「はい、勿論大丈夫です!」
『そっか、良かった。でっ、コンラッドは何処に遊びに行きたいの?』
「俺は別に何処でも。ユーリと2人で過ごせれば満足なので」
『そうなのか?俺と過ごすだけで満足なんて変な奴だなー。ならさ、買い物行かない?』
「買い物ですか?」
『うん、丁度欲しい物があったんだよなー。だからデパートに行く事にして俺の買い物に付き合ってよ』
「分かりました、一緒に買い物に行きましょう。では今度の日曜日に眞マ公園に朝10時待ち合わせとしましょうか?」
『それで良いよ。コンラッドから誘ってくれたのに、逆に俺の用事に付き合わせる事になっちゃってごめんな?』
「気にしないでください。先程も言ったとおり、俺はユーリと過ごせればそれで良いんですから」
『コンラッドって本当、たまに可笑しな事言うよな。まぁ、良いや。じゃあ今度の日曜はよろしく』
「はい、こちらこそよろしくお願いします。それではユーリ、お休みなさい。どうか良い夢を」
『お休み、コンラッド。またな』
ガチャ!ツー・・・・ツー・・・・
「よしっ、ユーリとデートの約束を取り付ける事に成功したぞ!」
肝心のユーリ本人はただ買い物の約束をしただけで、デートなど砂粒の欠片程も思ってないのはもはやご愛嬌(笑)
ユーリの事になるとゴーイングマイウェイになるコンラッドは次の行動に出た。
プルルルルッ・・・・プルルルルッ・・・・・
『は〜い、グリ・・・・』
「その気色悪い声はヨザだな?」
この声コンラッドだな・・・・。
相変わらず俺には素っ気無いな〜とヨザックは受話器の向こう側で思っていた。
『せめてもしもしの挨拶くらいしましょーや、部長。でっ、何か用っすか?』
「突然だが今度の日曜の部活は無しだ。以上」
『無しって・・・おいっ、コンラッド。そんな勝手に良いのかよ!?』
「心配するな。その分、前日の土曜に部活で扱いてやる。偶には俺もストレス解消したいしな」
そのストレス解消される相手ってもしかしなくとも俺の事っすか?
すんません、こいつには聞くだけ野暮なのであえて聞きません・・・・・(涙)
「そういう訳で、他の部員達にも連絡を頼む。じゃあな」
ガチャ!ツー・・・・ツー・・・・
一方的に言うだけ言って電話を切ったコンラッドなのでした。
そしてデート(?)当日・・・・・
にこにこ(微笑み)
「・・・・・・・・・」
「お待たせ、コンラッド。来るのが遅れてごめんな?」
「いえ・・・そんな事は別に良いですよ。ユーリとの約束なら1時間だろうが3時間だろうが待ちますから。そんな事より、何故ジュリアまで一緒に来てるんですか!?」
「あぁ、コンラッドから電話があった日にお袋がジュリアさんを夕食ウチで食べないかって誘ったみたいで遊びに来てたんだ。その時にコンラッドと買い物行く約束したって話したんだよ」
「そうなのよ。丁度買い物したいなって思ってたから、私も一緒に良いかとユーリちゃんに聞いてみたのvv」
「遊びに行くのって人数多い方が楽しいしな。それに2人共昔からの付き合いの幼馴染みだって聞いたし、別に不都合も無いと思ったからコンラッドに聞かずに承諾しちゃったんだ」
「私もコンラッドも幼い頃からの付き合いなんだし、今更不都合も何も無いから大丈夫よユーリちゃん。ね?コンラッド」
「そうですね・・・・・(ぐすん・・・(涙))」
こうしてユーリは野球応援グッズ買い物を、ジュリアは衣服を中心としたウィンドウショッピングを楽しんだのでした。
・・・・翌日・・・・
「うぅ・・・・またもやジュリアに邪魔された(涙)」
「お前等って見てて本当飽きないよな・・・・(呆れ)」
デート作戦をジュリアに無残にも木っ端微塵に水の泡と化された件を、アーダルベルト番長に愚痴るコンラッドの姿があったのでした。
END
皆様お待たせしました。
久しぶりの更新でございます!
サイト復活劇の1号作がこんなんで良いのかと思いつつ更新させていただきました(笑)
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